フタル酸エステル(DOP=DEHP)の安全性に関する質問

Q. 発ガン性はあるのですか?

1980年代はじめに極めて高濃度のDEHPをラットに投与すると肝臓に腫瘍を引き起こすことが報告されましたが、その後の研究で肝腫瘍は、げっ歯類に特有のメカニズムで起きることが明らかになりました。これを受けIARC(国際がん研究機関)は2000年にヒトへの発がん性はないとして従来の「2B」(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)を「3」(ヒトに対する発がん性について分類できない)に変更しました。更に、IARCは2011年2月の会議で再びDEHPを「2B」に戻すと決定しましたが、その理由はヒトにおける新たな証拠が見つかったためではなく、げっ歯類における発がん性のメカニズムや疫学研究のために更なる調査研究が必要である、と判断したためであります。可塑剤工業会は再見直しの理由に挙げられた文献を詳細に調査し、DEHPの発がん性には従来通りに種差がある、と判断しております。 グループ「2B」には、コーヒーや酢漬け野菜、携帯電話等も分類されています。

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