ニュースリリース

REACH認可対象物質としてのDEHPに対するコメント

 2008年6月30日に欧州化学品庁(ECHA)はREACH認可対象物質の「候補物質リスト」案、即ち高懸念物質のリスト候補に入れる化学物質の案として16物質を公表し、8月14日までパブコメに賦されることとなりました。16物質にはDEHP(DOP)が挙げられており、可塑剤工業会は次のような意見をECHAに提出しました。

DEHPは、日本、米国、欧州等でのリスク評価は終了しており、玩具用途等一部の分野を除いてリスクは適正に管理され新たな規制は必要でないとされています。既に欧州連合(EU)では、2008年2月、DEHPのリスク評価結果を公表しています。DEHPの生殖毒性(精巣毒性)に関しては、げっ歯類を用いた試験結果であることから一般公衆にリスクを及ぼすことなく、主要な末端用途のいずれにおいても、この物質を管理するために更なる処置を講ずる必要は無いと結論付けています。可塑剤工業会としても50年以上にわたる多角的研究の積み重ねでDEHPは人の健康に影響を与える怖れは無いと考えており、今回の「候補の候補物質」としてDEHPを挙げたことに対し削除を要請しました。

今回ノミネートされた物質は今後ECHAにて審査の上、本年10月に同庁のホームページに発表されます。日本の可塑剤工業会のみならず欧州可塑剤・中間体協議会(ECPI)、又塩ビ工業・環境協会におかれてもECHAに対しパブコメを提出されました。ECPIは、仮に最終的にDEHPが認可対象物質となった場合でも、(製造者又はユーザーは、欧州においてこれらの物質の製造・使用を継続するために「認可」を求めることとなりますが、)既にリスク評価は終了していることから、適切に管理できる物質としてほとんどの用途について「認可」が下されるだろうと判断しています。

可塑剤工業会は、今後共欧米の可塑剤業界と連携しながら様々な調査、試験、研究を行い安全性について検証してゆく方針です。本件に関しまして新たな情報が得られましたら、都度ご提供させていただきますので、今後共宜しくお願い致します。

 

以上